ガルム:
「何だ? 王国の騎士様が、こんな辺鄙な村に何の用だ?」
エリシア:
「アルセリア王国騎士団、エリシア・アルセリアです。直ちに略奪をやめ、武器を捨てなさい」
ガルム:
「アルセリア……。へえ、王女様が直々にお出ましか」
フィオナ:
「村の人たちに何をしたの!?」
ガルム:
「食い物を少々いただいただけだ。命までは取っちゃいねえ」
フィオナ:
「だからって、こんなことが許されると思っているの!?」
ガルム:
「許される? はっ。俺たちが飢えて死ぬのは許されるってのか?」
エリシア:
「……どういう意味ですか?」
ガルム:
「畑で働いても税で持っていかれる。仕事を探したところで食うにも困る。俺の仲間には、家族を養えなくなった奴もいる」
フィオナ:
「そんな……」
ガルム:
「王女様には分からねえだろうな。城の中にいりゃ、明日の飯に困ることもねえ」
エリシア:
「困窮しているのであれば、王国に救済を求める道もあるはずです」
ガルム:
「その救済が来るまで、俺たちに土でも食ってろってのか?」
一瞬、エリシアは言葉を失った。
ガルム:
「俺たちだって、最初から賊だったわけじゃねえんだ」
エリシア:
「……ですが、あなたたちが奪っている食糧も、この村の人々が懸命に育てたものです」
ガルム:
「分かってるさ。だが、俺たちにも生きる権利がある」
フィオナ:
「だからって、誰かを傷つけていい理由にはならないわ!」
ガルム:
「なら、どうすりゃいい? お前が俺たち全員を食わせてくれるのか?」
フィオナ:
「それは……」
ライオネル:
「殿下。これ以上の交渉は危険です」
エリシアは静かに剣の柄へ手を添えた。
エリシア:
「ガルム。最後の警告です。武器を捨て、投降しなさい。事情については、私が責任を持って調べます」
ガルム:
「……口先だけなら、誰だってそう言える」
エリシア:
「約束します。ですが、これ以上村人を傷つけることは認めません」
ガルム:
「だったら力ずくで止めてみろ!」
ガルムが斧を振り上げる。
周囲の山賊たちが、一斉に武器を構えた。
ライオネル:
「殿下、交渉はここまでです!」
エリシア:
「全員、戦闘配置!」
フィオナ:
「姉様、村の人たちは私が守ります!」
エリシア:
「ええ。ですが、無理はしないこと。私たちの目的は敵を討ち滅ぼすことではありません」
エリシアは剣を抜き、騎士たちへ命じた。
エリシア:
「村人の命を守りなさい。アルセリアの騎士として!」
――戦闘開始。
